著書

目次

1. 家格制をめぐって

共著

昭和58年2月

黒木三郎先生還暦記念論文集『法とその周辺』有斐閣」(東京)

家格についての用語が、法社会学・社会学・民俗学・歴史学において異なってもおり、その概念を整理したもの。

2. 『家族・村落・法-教材』

共著

昭和58年6月

敬文堂(東京)

家族と村落についての理論枠組みを初心者用に解説したもの。(平松紘氏と共著)

3. カエリムコ(年季婿)習俗について

共著

昭和63年2月

大竹秀男ほか編『擬制された親子-養子』三省堂(東京)、pp.325

大間知篤三は労役婚的な性格をもつ年季婿の習俗が東北地方に分布していることを報告し、その習俗が東北地方の固有な姉家督相続・中継相続の習俗・幼少のアトツギを後見する制度に機能変化していることを明らかにした。p.139-p.172

4. 『出作りの里-その民俗と歴史』

編著

昭和64年5月

新葉社(長野県)、
pp.333

本書は、長野県伊那郡清内路村の「調査報告書」と「家とムラ」の社会構造を扱った論考から成り立っている。ここでは社会史的な観点から、清内路において家とムラがどのような存在したかを明らかにすると同時に、上清内路の「一村総墓」の形態の墳墓と下清内路の「同族総墓制」の実態を明らかにした。

5. 隠居制と家-茨城県北部の隠居慣行を中心として

共著

平成2年11月

竹田旦編『民俗学の進展と課題』国書刊行会(東京)

茨城県北部は隠居習俗の北限として知られている。異世代が別居をするという隠居習俗を社会学・民俗学における学説史を踏まえた上で、江戸時代の宗門改帳および明治期の戸籍簿を通じて隠居習俗の実態を明らかにした。p.113-p.145

6. イデオロギーとしての「祖先祭祀」と「墓」

共著

平成3年10月

葬送の自由をすすめる会編『〈墓〉からの自由』社会評論社(東京)、pp.211

家族国家論のなかでは「祖先祭祀」は「国民道徳」として位置づけられ、墓地・墳墓は祖先祭祀の対象と位置づけられた。日本における祖先祭祀の実際と「国民道徳」としての祖先祭祀のズレを問題とした。p.49-p.74

7. 穂積陳重と柳田国男-イデオロギーとしての祖先祭祀

共著

平成4年4月

黒木三郎先生古稀記念論文集『現代法社会学の諸問題』(上)民事法研究会(東京)、pp.780

柳田国男の祖霊信仰論の形成には法学者である穂積陳重の祖先祭祀論があるのではないかという仮説を提示した。家の祖先祭祀・ムラ祭祀(氏神祭祀)・国家祭祀=皇室祭祀を祖先祭祀の枠組みのなかで位置づける思想はすでに穂積のなかで展開されたものであり、柳田はそれを民俗学的に発展させたものとする仮説を提示した。p.83-p.109

8. 明治初年の墓地及び埋葬に関する法制の展開-祖先祭祀との関連で

共著

平成5年1月

藤井正雄ほか編『家族と墓』早稲田大学出版部(東京)、pp.318

明治初年には、①地租改正との関連で、②都市計画の関連で、③公衆衛生政策との関連で、④祖先祭祀との関連で、墓地政策が展開する。明治初年に墓地にたいする大きな変革があったという観点から、明治初年から明治17年の「墓地及埋葬取締規則」が制定されるまでの過程を、太政類典などの資料を用いて明らかにしたものである。 p.197-p.229

9. 墓と葬送の社会史

墓と葬送の社会史

単著

平成5年6月

講談社(東京)、pp.268

墓地の歴史を比較社会史的に明らかにし、伝統的な墓制の多様性についても明らかにした。また、現代の墓地或いはそれを取り巻く問題にはどのようなものがあるかをあきらかにし、家族構造の変化が墓地の継承を困難にし、葬送・墓制に関しても多くの人々から多様な要求が行われていることも明らかにし、墓地政策に関する新たな観点の必要性を訴えた。(現代新書)

10. 家族と墓をめぐる一考察

共著

平成5年9月

獨協大学編『市民社会と法律』獨協大学(埼玉)、pp.253

「墓は不融通物か」という議論を巡って、明治初年から明治民法形成時の法制を中心に検討し、明治初年段階では、墓をどのようなものとして認識していたかについて検討した。p.173-p.196

11. 歴史人類学の家族研究-ヨーロッパ比較家族史の課題と方法

歴史人類学の家族研究-ヨーロッパ比較家族史の課題と方法

翻訳(共訳)

平成6年3月

新曜社(東京)、pp.400

ミッテラウアーの翻訳。第6章「地方誌研究としての家族の社会史」(p.203~p.247)を担当。

12. 墓と社会集団

共著

平成6年6月

佐々木宏幹・村武精一編『宗教人類学』新曜社(東京)、pp.278

墓と共同体の関連について言及したもの。人の死は共同体に関わる問題であり、墓も必ずしも家族を単位としたものではなく、家族を含めた共同体(Gemeinschaft)を単位として建立されていることを問題とした。p.68-p.78

13. 自分らしい最期を決めておく本

自分らしい最期を決めておく本

監修

平成7年2月

PHP研究所(東京)、pp.224

現代、葬儀や墓で何が問題になっているかという問題に関し、その処方箋について書いたものを監修した。

14. 明治初年の服忌・服喪-一つの覚書として

共著

平成9年

『服忌・穢れ・死』(仮称)早稲田大学出版部(東京)pp.

明治初年の「近代化」政策のなかで、穢れに関する法制度を解除していく明治国家の服忌に関する法制の歴史を明らかにした。

15. 相続・継承と家

共著

平成9年

『日本民俗学講座』(仮称)雄山閣(東京)

相続と継承の問題に関し、両者の違いを前提にして、その多様な習俗を整理したもの。

16. 祭祀条項と墓地の継承

共著

平成9年

石川利夫先生追悼記念論文集

民法の祭祀条項と墓地承継の在り方についての議論したもの。

17. 『吐山の墓制-墓と祖先祭祀についての法社会学的研究』

単著

平成9年3月

文部省科学研究費補助金報告書

一般研究(c)課題番号06620010奈良県山辺郡都祁村での墳墓建立に関しての実態調査。吐山の全墓石のデータベースを作成し、家墓の建立時期などの分析を行った。

18. 「共同体(ムラ)祭祀・宮座・個人」の法社会史的考察」(

共著

平成10年7月

高橋統一先生古希記念論文集『性と年齢の人類学』岩田書院(東京)

奈良県山辺郡都祁村の宮座を中心に、宮座がどのような原理によって構成され、明治初年にどのように変質したか、について考察した。(p.69~p.103)

19. 『墓地に関する意識調査』

共著

平成10年8月

厚生省厚生科学研究(自家製・茨城)

研究代表者として、少子高齢化社会の中での墓地のあり方についての意識調査を全国規模で実施した報告書

20. 葬送と社会集団

共著

平成11年

新谷尚紀編『死後の環境―他界への準備と墓(講座 人間と環境9)』昭和堂(京都)

埋葬・葬送の意味を確かめながら、埋葬・墓がどのような社会集団によって担われているかを問題にした。また、近代の日本人が受容した火葬の文化についても研究した。

21. 『名前と家族-名づけの家族史』

編集

平成11年6月

弘文堂(東京)

上野和男と共編。比較家族史学会の研究大会「名前と家族」のシンポジウムの成果を刊行した。

22. 墓と葬送の現在-祖先祭祀から葬送の自由へ

墓と葬送の現在-祖先祭祀から葬送の自由へ

単著

平成12年7月

東京堂出版(東京)

現代の墓地問題についてまとめる。(1)現行の墓地埋葬法の問題、(2)葬送をめぐる現代現象とその問題点、(3)祭祀条項が問題解決のネックになっていることを指摘した。

23. 近代の家―日本型近代家族論へのプロローグ

編著

平成12年7月

江守五夫先生古希記念論文集『歴史と民族における家族と結婚』第一書房(東京)

日本の家に関する学説を整理しながら、祖先祭祀の機能を組み込んだ日本型近代
家族の特徴は何かを明らかにする。p.86~p.133。本全体の編集については、宮良高弘との共編

24. 『老熟の力―豊かな〈老い〉を求めて』

編集

平成12年12月

早稲田大学出版部(東京)

平成11年に実施した日本民俗学会50周年記念事業シンポジウム「豊かな〈老い〉を求めて」(曳舟文化センター)の記録。あとがきを執筆。(宮田登・網野房子と共編)

25. 家(家族)と村の法秩序

共著

平成13年10月20日

水林彪・大津透・新田一郎・大藤修編『法社会史(新体系日本史2)』山川出版社(東京)

明治初年から明治末期までの、穢れに関する法の解除から国家神道体制が末端に浸透する明治末期までの法秩序を法社会史的に考察した。明治国家体制の成立とそれがどのように社会に浸透していった可について論じた。p.368-430

26. 「はしがき」と「住谷一彦の「家族と家」理論」

共著

平成14年

比較家族史学会編『家族・世紀を超えて』日本経済評論社(東京)

比較家族史学会20周年を記念したシンポジウム「家族・世紀を超えて」をまとめたもの。所収論文では、住谷一彦の家・家族理論を整理した。p.ⅲ-ⅷ、p.181-191

27. 秋田における同族・総墓・村落-河辺郡雄和町の事例を中心に

共著

平成14年11月

義江明子編『日本家族史論集7 親族と祖先』吉川弘文館(東京)

論文8の再録。社会学のいわゆる「有賀=喜多野論争」を踏まえ、同族集団の実態を明らかにすると同時に、村落と同族集団の関連を明らかにしたものである。①同族集団は本分家の系譜関係に基づいた集団であり、本家の始祖を中心とした祖先を祀る祭祀集団であること、②同族集団の祭祀の中心に墳墓があり、一つの墳墓を同族集団によって共有し(総墓と呼んでいる)など、を実証的に明らかにしたものである。

28. お墓の制度と現実-お墓革命のはじまり

共著

平成15年

小畠宏允編『日本人のお墓』日本石材産業協会(東京)

明治以降の墓地行政の歴史について概説を加え、現代の墓地行政や墓地の承継などの問題について解説を加えたものp.315-342

29. 家族革命

家族革命

編著

平成16年

弘文堂(東京)

岩上真珠・山田昌弘・清水浩昭と共編。家族の個人化の中で皆婚社会と崩壊と少子高齢化社会の中での家族について分析した。p.1-5、p.29-46、p.68-75、p.230-237

30. 『少子高齢化社会における「墓地及び墳墓承継に関する法社会学的研究』

単著

平成17年3月

平成13年~15年度 科学研究補助金(基盤研究(C)(2)研究成果報告書・自家製(茨城・pp.195)

研究代表者(課題番号13620014)として、官報に掲載された無縁墳墓公告のデータ整理を行い、金沢市の無縁墳墓改葬の実態調査、および愛媛県で無縁墳墓及び改葬に関しての意識調査を実施し、それをまとめた。

31. 少子化時代におけるお墓とその継承・戦没者慰霊施設についての国民意識・戦没者慰霊をめぐる意識調査・死者と追悼をめぐる意識調査

共著

平成17年3月

平成14年~16年科学研究補助金基盤研究(A)(1)『死者と追悼をめぐる意識変化-葬送と墓についての総合研究』(仙台・pp.323)

研究代表者・鈴木岩弓(東北大学大学院・教授)、課題番号14201004。本調査において、変貌する墓地・葬送・慰霊(戦没者慰霊を含む)に関する意識を全国規模で調査した。本報告は、そのデータを整理し分析をした。調査の実施年度は平成15年、標本数2000・有効回答数1409、調査は訪問留置法で行った。p.49-53・p.79-80・p88-134

32. 来間社会の二元的構造とブナカ―村落祭祀とヤーマス御願

共著

平成17年3月

平成13年~16年科学研究補助金基盤研究(A)(1)『沖縄における近代法の形成と現代における法的諸問題』(沖縄・pp.514)

研究代表者・田里修(沖縄大学・教授)、課題番号13302001、沖縄・宮古島来間での調査に基づいて、門中制の基層構造とは何かを問うたもの。村落祭祀と親族祭祀が重層し、多様な社会構造が多元的に存在している様子を実証的に明らかにした。p.310-349

33. 葬送の個人化ー葬送の自由とそのリスク

共著

平成18年2月

高木侃編『老いの相生』専修大学出版部(東京)

地域社会が崩壊するなかで家族の個人化が進んでいる。社会が死を隠すようになり、葬式を行うかどうか、お墓を建立するかどうかも個人の自己決定の問題と意識するようになった。このことが社会全体でどのようなリスクを持つかを検討した。p.171-198

34. 名前の個人化-襲名から一人一名主義へ

共著

平成18年3月

落合恵美子編 『徳川日本のライフコース―歴史人口学との対話』 ミネルヴァ書房(京都)

茨城県の里美村の事例を中心に、週目にがどのように行われ、近代国家の成立のなかで一人一名主義がどの湯に展開したかについて議論した。

35. 少子時代におけるお墓とその継承/死者と追悼をめぐる意識変化

共著

平成18年3月

報告書『死者の追悼をめぐる意識変化』(研究代表者鈴木岩弓・課題番号14201004)(仙台)

少子化時代のなかでお墓がどのように承継されているか、意識調査を通じて実証的に明らかにした。(p.49-53/p.88-134)

36. 『〈いのち〉と家族-「生殖技術と家族Ⅰ』

共編

平成18年12月

早稲田大学出版部(東京)

「序説」で、歴史のなかで〈いのち〉を家族あるいは国家との関連でどのように位置付けてきたかを議論した。(p.1-12)

37. 戦没者慰霊施設と国民意識ー全国調査の分析

共著

平成18年3月

報告書『死者の追悼をめぐる意識変化』(研究代表者鈴木岩弓・課題番号14201004)(仙台)

「死者の追悼をめぐる意識調査」で戦没者に対する国民のアンケート調査を実施し、アンケート結果について分析を試みた。

38. 『徳久山春好著作ノート』

編集

平成19年

(研究代表者・田里修『沖縄近代法の形成と展開-沖縄の特殊性と普遍性』[日本学術振興会科学研究補助金基盤研究(A)・報告書](沖縄)、pp.87

沖縄・多良間島の郷土史家である徳久山春好氏のこれまでの論文をまとめて編集したもの。徳山氏は、多良間島の士族についての研究をまとめ、沖縄における島嶼地域での士族のあり方を明らかにした。また、多良間の墓のあり方にも言及し、多良間島のお墓の配置図を作成している。

39. 問題設定

共著

平成19年

(研究代表者・田里修『沖縄近代法の形成と展開-沖縄の特殊性と普遍性』[日本学術振興会科学研究補助金基盤研究(A)・報告書](沖縄)、pp.41

平成19年度の日本法社会学会での報告しりょうとして冊子形態の報告書を作成し、「沖縄近代法」の研究の意義と問題式について解説を加えた(p.1-9)

40. 「沖縄における家と家族・序説」「問題設定」

共著

平成21年3月

2005-2008年度「沖縄における家と家族・序説」「問題設定」(研究代表者・田里修『沖縄近代法の形成と展開-沖縄の特殊性と普遍性』[日本学術振興会科学研究補助金基盤研究(A)・報告書](沖縄)

沖縄県石垣市字石垣の戸籍資料を中心として、沖縄における家族および身分制度について議論を展開した。沖縄では、石垣でも明治民法が施行されるまでは婿養子が存在しなかったこと、沖縄では琉球処分以降士族について特例を認めており、家族領域でも旧慣温存政策が行われていたことを明らかにsた。p.153-206

41. 人間(死者)の尊厳性と「埋葬義務」

共著

平成22年5月

岩上真珠・鈴木岩弓・森謙二・渡邊秀樹『いま、この日本の家族-絆のゆくえ』弘文堂(東京)

死者を埋葬しない例がいくつか新聞などで報道され、「埋葬」に関する社会のコンセンサスを崩れていることから、現代の新しい葬送事情について解説を加えた。P。132-175

42. 野田山墓地と無縁墳墓

共著

平成24年3月

青木美智男・森謙二編『三くだり半の世界とその周縁』 日本経済評論社(東京)PP360

平成15-17年度において調査した、金沢市の野田山墓地における大規模な無縁改葬の事例を実証的にまとめたもの。p.135-180

43. 沖縄における」<家>と身分制-八重山・石垣の事例を中心に

編著

平成25年2月

田里修・森謙二編『沖縄近代法の形成と展開』榕樹書林

44. 近世の戦死者祭祀

共著

平成25年11月

村上興匡・西村昭編『慰霊の系譜―死者を記憶する共同体』森話社

45. 墓と葬送の社会史(読みなおす日本史)

墓と葬送の社会史(読みなおす日本史)

単著

平成26年5月

吉川弘文館

46. 死の自己決定と社会-新しい葬送の問題点

共著

平成26年11月

山田慎也, 鈴木岩弓 編『変容する死の文化』 東京大学出版会

47. 墓と葬送のゆくえ

墓と葬送のゆくえ

単著

平成26年12月

吉川弘文館

48. (無縁墳墓と墓地の整理事業―<家>なき時代の墓地のあり方―

共著

平成27年5月

『冠婚葬祭研究所 論文集 冠婚葬祭編』p.18-26

49. 「埋葬」の新しい秩序の再構築
―墓地埋葬法の改正に向けて―

共著

平成27年5月

『冠婚葬祭研究所 論文集 冠婚葬祭編』p.47-67