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目次
- 1. 現代家元制度についての覚書
- 2. エールリッヒの法社会学の理論的背景についての一考察
- 3. エールリッヒの「生ける法」概念
- 4. 現代の家元制度について-擬似親族集団としての特質とその変化
- 5. 姉家督相続の一考察
- 6. 北関東地方の一村落における隠居制と相続制
- 7. 村落構造と村規約(近代)―資料
- 8. 秋田における同族・総墓・村落-河辺郡雄和町の事例を中心として
- 9. 政治学者神島二郎の家族理論-近代日本の家族と家族主義
- 10. 伝染病と墓地
- 11. 墓をめぐる法と民俗 -覚書
- 12. 「死後の離婚」=帰葬の習俗について
- 13. 「墓」と屋敷地
- 14. 田沢の民俗
- 15. 国際化する葬儀業界
- 16. ユーゴスラビアの墓地
- 17. 「死者の都市」-ウィーン中央墓地-ヨーロッパの葬送・墓制(1)
- 18. ハルシュタットの墓制は語る
- 19. ヨーロッパの火葬-ヨーロッパの葬送・墓制(2)
- 20. ヨーロッパの家族墓-ヨーロッパの葬送・墓制(3)
- 21. 葬送の自由-撒骨をめぐって
- 22. 総墓の諸形態と祖先祭祀
- 23. ヨーロッパの葬送儀礼-ヨーロッパの葬送・墓制(4)
- 24. 現代の墓地問題-福祉政策としての墓地行政
- 25. 最近の家族論の展開
- 26. 村落構造論と共同体論-川島理論を中心に
- 27. 近代の「穢れ」-差別と墓
- 28. 現代の墓地経営を問う①~③
- 29. 老熟の力―その意味を考えよう
- 30. 最近の家族研究の動向についての若干のコメント
- 31. 彷徨う死者たち―戦没者祭祀と「無縁墳墓」改葬の思想
- 32. 同族と門中-比較研究のためのノートとして
- 33. 全国調査 葬送と墓の意識 -アトツギが決まっているというのが4割という墓意識の揺らぎ
- 34. 墓・家族・市民社会
- 35. 埋葬と法-家族・市民社会・国家
- 36. 家族研究の動向-森岡清美『華族社会の「家」戦略』(2002)と山田昌弘『希望格差社会』(2004)の書評を通じて
- 37. 門中と門中墓―読谷村楚辺の事例を中心に
- 38. 位牌祭祀と半檀家をめぐる最近の研究
- 39. 家族と市民社会―家族の位置づけと家族の再定義に向けて
- 40. 「個人化」する家族-墓と葬送から浮かび上がる家族の揺らぎ
- 41. 「葬送の個人化」のゆくえ-日本近代家族の解体と葬送
- 42. 近世節社会における慰霊と顕彰
- 43. 墓地管理をめぐる訴訟で不当利得者勝訴の判決が下された司法の責任
- 44. ある共同体における紛争と共同性
- 45. 死者の尊厳性と新葬送システムー墓地埋葬法の空洞化と無縁社会の展開
- 46. お墓に関する意識調査
- 47. 無縁墳墓の歴史と今日的課題(1)から(3)
- 48. 近代の戸籍
- 49. 〈家〉なき時代の墓地埋葬法-現行法の問題とこれからの課題
- 50. 新しい葬法とその問題点
- 51. 墓地埋葬法の再構築―〈家〉亡き時代の墓埋葬秩序と「埋葬義務」
1. 現代家元制度についての覚書
昭和46年
明治大学大学院紀要 第9集
家元は芸を「家芸」として伝承する者あるいは機関であるが、その伝承の担い手である「家」が財団法人となって展開している現実を問題とした。家は多様な形を取って継承されていく。
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2. エールリッヒの法社会学の理論的背景についての一考察
昭和48年
明治大学大学院紀要 第11集
エールリッヒの「生ける法」概念が提唱される理論的な背景について、歴史法学との関わりで整理したもの。
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3. エールリッヒの「生ける法」概念
昭和49年
明治大学大学院紀要
第12集エールリッヒの「生ける法」概念について、ドイツの社会学者レービンダーの議論によりながら整理したもの・
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4. 現代の家元制度について-擬似親族集団としての特質とその変化
昭和52年
総合研究「現代における親子の法的社会的問題に関する研究」その(1)
家元が財団法人となって継承されていく一方で、家元集団が社団法人化し、その免許制度も「恩」や「義理」に基づくようなものではなく、官僚化されたシステムのなかで巨大な企業として展開している現実を明らかにした。
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5. 姉家督相続の一考察
昭和54年3月
法社会学 31号
初生子相続(最初に生まれた子供が女子であったときその女子(長女)に婿をとって家を継承する習俗)とその崩壊過程について茨城県久慈郡里美村を事例として考察したもの。p.117-140
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6. 北関東地方の一村落における隠居制と相続制
昭和55年5月
家族史研究 創刊号
茨城県久慈郡里美村を中心として、東北地方を中心として分布する姉家督(初生子)相続と西南日本を中心に分布する隠居習俗を取り上げ、その両者が並存している社会構造を分析した。p.218-p.251
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7. 村落構造と村規約(近代)―資料
昭和56年12月
茨城キリスト教短期大学紀要 第21号
静岡県賀茂郡河津町逆川の区有文書を中心として、近代のムラ規約の状況を明らかにしたもの(青嶋敏と共同執筆)
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8. 秋田における同族・総墓・村落-河辺郡雄和町の事例を中心として
昭和60年12月
茨城キリスト教短期大学研究紀要 25号
この論文は、社会学のいわゆる「有賀=喜多野論争」を踏まえ、同族集団の実態を明らかにすると同時に、村落と同族集団の関連を明らかにしたものである。①同族集団は本分家の系譜関係に基づいた集団であり、本家の始祖を中心とした祖先を祀る祭祀集団であること、②同族集団の祭祀の中心に墳墓があり、一つの墳墓を同族集団によって共有し(総墓と呼んでいる)など、を実証的に明らかにしたものである。p.41-p.70
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9. 政治学者神島二郎の家族理論-近代日本の家族と家族主義
昭和61年9月
比較家族史研究 創刊号
比較家族史学会での報告要旨。上島次郎の家族・家理論を整理し、報告したもの。p.82-p.86
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10. 伝染病と墓地
昭和61年
家族法研究懇話会報 2号
一般の墓地から伝染病墓地が分離されていく、法的過程を分析した。
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11. 墓をめぐる法と民俗 -覚書
昭和62年3月
創造 16号
なぜ明治初年の墓地法制の研究が必要か、これまでの社会調査の成果を通じて明らかにし、現実の「墓」に関わる習俗とその法制度の歴史の関連について、一つの枠組みを示したものであり、これ以降の「墓」研究の出発点になったものである。ここでは、明治初年における墓地法制がこれまでの墓地の習俗に大きな影響を与えたことを明らかにした。p.12-24
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12. 「死後の離婚」=帰葬の習俗について
昭和62年11月
比較家族史研究 2号
死後遺体を実家に帰す習俗について、長野県清内路村に残されている文書から家言及した。p.84-p.86
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13. 「墓」と屋敷地
昭和64年12月
比較家族史研究4号
墓は村落の周辺に置かれるだけではなく、中世以来屋敷地の中に設置される習俗も登場してくる。この屋敷はあの問題について言及した。p.103-107
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14. 田沢の民俗
平成2年10月
北方風土 21号
秋田県田沢湖町田沢の調査報告書。同族制村落における村落と家族の社会構造を中心に、近代の東北日本の社会構造を社会史・民俗史的観点から明らかにした。 p.5-p.65
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15. 国際化する葬儀業界
平成3年1月
SOUGI(葬儀) 創刊号
ECの統合に伴いヨーロッパでは人的移動が激しくなり、遺体の移動とともに葬儀業界も国を超えて展開するようになった。世界国際葬儀業界の会議=IFTA二酸化下レポートをまとめたもの。 p.71-74
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16. ユーゴスラビアの墓地
平成3年4月
EN21 2号
ユーゴスラビア(現クロアチア)の墓地についての報告。地中海沿岸の墓地は一般に遺体を埋めるのではなく、一定の空間に安置する形式を多い。p.2-3
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17. 「死者の都市」-ウィーン中央墓地-ヨーロッパの葬送・墓制(1)
平成3年9月
SOUGI(葬儀) 5号
墓地は「社会の鏡である」という観点から、ヨーロッパの墓地を比較社会史的に検討したもの。日本とヨーロッパの墓地を比較検討するための序説。p.76-80
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18. ハルシュタットの墓制は語る
平成3年10月
本-読書人の雑誌10月号
ハルシュタットはケルト文化が残るオーストリア.ザルツカンマングートの一地域である。ここではいったん土葬をした後それを改葬して遺骨を納骨堂(バインハウス)に納める複葬の習俗があり、それを報告した。p.65-69
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19. ヨーロッパの火葬-ヨーロッパの葬送・墓制(2)
平成3年11月
SOUGI(葬儀)6号
ヨーロッパにおいて1960年代以降に火葬を受容したあと、ヨーロッパの埋葬形態がどのように変化していったかについて論じた。ヨーロッパで浸透する火葬について、日本の火葬との比較において比較文化的に考察したもの。p.65-p.69
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20. ヨーロッパの家族墓-ヨーロッパの葬送・墓制(3)
平成4年1月
SOUGI(葬儀) 3号
家族墓は「近代の産物」であるという仮説を前提として、日本における「家族墓(家墓)」とヨーロッパの家族墓の共通性と異質性を検討したもの。p.65-p.69
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21. 葬送の自由-撒骨をめぐって
平成4年2月
本-読書人の雑誌 2月号
平成3年に相模湾沖で実施された撒骨をめぐって、そこにどのような問題があるかに言及したもの。
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22. 総墓の諸形態と祖先祭祀
平成4年3月
国立歴史民俗博物館研究紀要 41号1
日本の伝統的な墓の形態としては家を単位としたものが一般的であると考えられてきた。しかし、墓(墳墓)は地域社会、親族集団(同族)、信仰(檀家)集団を単位として建立されることがあり、このような複数の家々の集団が一つの墳墓を建立する場合、それを「総墓」と名付けた。また、このような墳墓が必ずしも「祖先祭祀」の対象ではないことも明らかにした。p.255-p.314
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23. ヨーロッパの葬送儀礼-ヨーロッパの葬送・墓制(4)
平成4年3月
SOUGI(葬儀) 4号
ヨーロッパの葬送習俗について、比較社会史的観点から問題として、多様な習俗が伝承されていることを明らかにした。たとえば、「死者の婚礼」は中国・韓国などのおける死霊婚の習俗と類似するが、ヨーロッパではキリスト教との関連のなかでこの習俗は説明されている。p.65-p.69
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24. 現代の墓地問題-福祉政策としての墓地行政
平成5年11月
SOUGI(葬儀) 18号
家族構造の変化のなかで、家族が墓地の継承者となることが難しくなっている現実を指摘し、福祉政策としての墓地行政が必要であることを指摘した。p.43-p.46
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25. 最近の家族論の展開
平成6年12月
比較家族史研究 9号
社会学(女性学を含む)において展開されている家族論について、その意義と問題点を明らかにした。社会規範としての感情(愛情)を問題として、それが家族集団を規制・束縛する論理となっていること、また家族機能が家族集団から解除され、部分的にそれが地域社会のなかに委譲されている現実を指摘した。 p.60-68
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26. 村落構造論と共同体論-川島理論を中心に
平成8年3月
法社会学 48号
共同体論の再構築をめざし、近代化論のなかで問題になった共同体論の再検討を行ったもの。今後の研究の準備として書いたもの。p.215-219
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27. 近代の「穢れ」-差別と墓
平成9年2月
部落解放研究 418号
日本伝統の「穢れ」観念を前提として、伝染病の忌避など近代化の中で再編成される「穢れ」観念を問題とした(p.199-206)
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28. 現代の墓地経営を問う①~③
平成11年1月~ 3月
寺門興隆2000年11月号・12月号・1月号
現代の墓地問題を、①名義貸し ②営利主義と抱き合わせ販売 ③墓地の永続性などの墓地経営の問題についてまとめたもの。11月号=p.40-47、12月号=p.60-66、1月号=p.92-98
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29. 老熟の力―その意味を考えよう
平成11年12月
青少年問題43-12
向島の元気な老人達の活動を紹介し、〈老い〉の意味を考えたもの。p.41-46
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30. 最近の家族研究の動向についての若干のコメント
平成13年4月
比較家族史研究 15号
2000年度の家族研究の動向について、高橋朋子『家族団体論』・丸山茂『家族のレギュラシオン』・米村千代『家の存続戦略』・山田昌弘『パラサイトシングルの時代』を取り上げて、家族を論じる視座について論じた。p.130-139
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31. 彷徨う死者たち―戦没者祭祀と「無縁墳墓」改葬の思想
平成14年2月
学燈 99巻2号
慰霊という観点から、現代の死者の有り様について分析をしたもの。社会の中に死者をどのように位置づけるのかを問題にした。p.12-15
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32. 同族と門中-比較研究のためのノートとして
平成15年6月
秋田民俗 29号
同族と門中の違いについてどのように認識してきたかについて分析し、父系的親族集団の多様性について言及した。p.52-65
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33. 全国調査 葬送と墓の意識 -アトツギが決まっているというのが4割という墓意識の揺らぎ
平成15年11月
寺門興隆 2003年11月号
平成15年に行った墓地と葬送に関しての全国規模の意識調査について分析したもの。墓地の継承に関して不安に感じる人々が毎年増えてきている。p.72-81
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34. 墓・家族・市民社会
平成17年3月
創造(茨城キリスト教大学(短期大学部) 34号
「祖先祭祀の機能を組み込んだ家族」(日本)と「祖先祭祀の機能を解除した家族」(ヨーロッパ)比較した上で、家族構造の差異が墓制にどのような影響を与えているかについて考察した。p.23-39
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35. 埋葬と法-家族・市民社会・国家
平成17年3月
法社会学 62号
日本社会には「埋葬義務」という観念は根づいていない。なぜ埋葬義務の観念が根づかなかったのか、人間の死は私的枠組みで捉えることがもつ問題点を明らかにした。p.87-98
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36. 家族研究の動向-森岡清美『華族社会の「家」戦略』(2002)と山田昌弘『希望格差社会』(2004)の書評を通じて
平成17年3月
比較家族史研究 19号
表題の2書を取り上げて、家族研究の視座について論じた。山田はリスク論を家族に適用して近代家族の幾重に言及したのにたし、森岡は上層階層の家族を取り上げて日本の家族=家のあり方に分析した。p.79-96
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37. 門中と門中墓―読谷村楚辺の事例を中心に
平成17年8月
民俗文化研究 6号
読谷村楚辺を中心として、門中という親族集団の構成単位が「家」ではないことを前提とし、門中の形成と門中墓の建造と門中の分節化について論じた。p.31-53
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38. 位牌祭祀と半檀家をめぐる最近の研究
平成20年3月
比較家族史研究 21号
中込睦子氏の半檀家研究を中心に、近年の半檀家研究についてまとめたもの(p.81-90)
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39. 家族と市民社会―家族の位置づけと家族の再定義に向けて
平成20年10月
学術の動向 2008年10月号
家族の多様化についての議論がされ、家族あり方が変化しており、従来の家族・市民社会・国家という三元的な構造では家族を捉えきれなくなっている。p.74-77
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40. 「個人化」する家族-墓と葬送から浮かび上がる家族の揺らぎ
平成21年6月
MOKU 2009年6月号
少子化のなかで家墓の伝統が崩れ。新しい葬送のあり方が模索される一方で、地域社会との繋がりを失ってきた家族が漂流している現状につての報告。p.52-61
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41. 「葬送の個人化」のゆくえ-日本近代家族の解体と葬送
平成22年
家族社会学研究 20巻1号
家族が地域社会との繋がりが希薄になることによって葬送のあり方が大きく変化してきた。従来に跡継ぎが祖先祭祀を承継している構造が維持できなくなってきたことを踏まえて、葬送・墓のあり方について議論した。p.30-42
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42. 近世節社会における慰霊と顕彰
単独
平成22年3月
宗教研究 363号
近世武士社会(柳川藩など)で戦死者を藩主が供養するという慣習が今日まで続いている。その境的は意見について論じた。p.51-52
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43. 墓地管理をめぐる訴訟で不当利得者勝訴の判決が下された司法の責任
平成22年
寺門興隆 2010年5月号
不当に墓地を管理していた個人が既得権が奪われたと訴えて勝訴となった堺市家原寺の裁判の事例について解説した。p.64-73
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44. ある共同体における紛争と共同性
平成23年3月
法社会学 74号
沖縄のリゾート開発との絡みで、村落が分裂をした事例について報告した。p.48-63
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45. 死者の尊厳性と新葬送システムー墓地埋葬法の空洞化と無縁社会の展開
平成24年3月
佛教文化学会紀要(大正大学) 20号
法が想定しない葬法が展開することによって、これまでの葬送のあり方に大きな変化が起こり、墓地埋葬法が空洞化している状況について議論を展開した。p.36-49
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46. お墓に関する意識調査
平成26年1月
平成23年度科学研究補助金「我が国の葬送墓制の現代的変化」(研究代表者鈴木岩弓)「
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47. 無縁墳墓の歴史と今日的課題(1)から(3)
平成26年12月~平成27年1月/2月号
月刊住職 平成26年12月号から平成27年2月号(P98-106、107-116、p,113-121)
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48. 近代の戸籍
平成27年3月
茨城キリスト教大学紀要(人文科学編)27年3月号(p.231-243)
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49. 〈家〉なき時代の墓地埋葬法-現行法の問題とこれからの課題
平成27年6月
月報 司法書士 520号(p.33-37)
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50. 新しい葬法とその問題点
平成28年8月
都市問題 107号(p.13-31)
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51. 墓地埋葬法の再構築―〈家〉亡き時代の墓埋葬秩序と「埋葬義務」
平成29年11月
宗教法 第28号(p。141-169)